杏飴

Yonder Voice Lyrics/Vocal
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白い海

白い海


次があるなら、

海が見える街に住みたいと、

あなたは嘆くように言う。

割れたカップの破片を集めながら、

僕も、とだけ答えた。

ごめんねとあなたはもう言わない。

僕がそれを嫌がったから。

本を読むことさえできなくなってから、

あなたは無口になった。

窓を開けて空気を入れ替えると、

聞こえてくるのは都会の喧騒ばかり。

車の流れは葬列みたいだね。

眠りに付くあなたの最後の言葉に、

僕は涙を堪えきれなかった。

AとPを付けて

君は太陽みたいだよと言ったけど、
僕は向日葵になれなかった。
むしろ太陽の下で咲くこともできやしない。
会えるのは、今際の時だけかもしれない。
未来を語れない僕らが長電話をする理由を、
今からでも考えましょうか。

2013.5.29
めぐりあえないAMとPM。

心電図と海月

ほら泣くなって君は言う。
不幸なのは僕の方みたいな言い方で。
あと数時間で嵐は去るのだろう。
窓の外の海もまた凪ぐ。
海岸線に青い銀河を灯した漂遊者たちは、
いつもより少し絶望的なロマンス。
モニターに映る波形をなぞりながら、
僕は耳をそばだてて最後の海鳴りを聞く。

2014.5.28

そして僕らの日々は化石になる。

地下鉄徒歩3分

習慣のようにビニール袋を片手でまとめたら、
いつも左側にいた君の不在を思い出し笑った。
マンションの入口の風は今日も心地良く、
嫌になるほどに他人の幸せの匂いと生活音を運んできた。
そして鍵を握ったまま、僕はエレベーターのボタンを——
つよく、つよく、強く押すの。


2014.05.23


上昇気流の日々を懐かしみながら昇ってゆく。

せせらぎと寡黙

さあ、今宵は口を閉じ合おう。
君も、金糸雀のように囀らないで。
僕の心にある迷いは、
この湖水に映る空よりも広いものだ。
漕ぎ出した僕らの小舟は、
宇宙の塵のひとつさ。
その残酷なほど愛おしい唇と、
言葉よりも、接吻を交わそう。
僕の胸に眠る君の横顔も、
いつ消えるとも知れない幻のようだから。


2014.05.16

599616000

今の僕の躯を作る分子たちが、
いつか他の人の血肉へと変わる。
ならば花束をください。
今日のままの僕に花束をください。
そしてこの日を僕の命日として憶えませう。
さよならじゃなく、他の言葉をください。
でも——
憎むほど美しいこの世界には今日もまた、
僕みたいな価値のない命が次々と産声をあげるだけ。


2014.05.08


お誕生日おめでとう、ミス廃人。

磁石

君は優しくなる。

僕は強くなる。

そしてまた僕たちはすれ違う。


2014.05.03

僕はシャッターを切る。

雨に育てられた公園の緑や、
カーテンの隙間から覗く早朝。
読みかけのベルレーヌと、
未来を通り過ぎる列車の汽笛。
すべてが自然で柔らかく、
僕らの日々を見守っている。
そしてその中で、当たり前のように、
君は今、息を止めた。


2014.04.26

終わりじゃない。別の世界でこれから生まれる誰かにとっての始まり、と思ってしまおうか。

たまにもアンチロマン

仕事忙しい僕らが暮らし始めた家に、
何も植えていない枯れた庭がある。

つまらない生活に色を加えたいと、
春の終わりに僕は庭に種を蒔いた。

そして水をやり育ち続けると、
青と紫の小さな花がやっと咲いた。

君が今朝、綺麗だねと笑ったから。
その花を全部踏み潰したいと、思った。


2014.04.16


(ずっと君に好かれたらいいなあと思ってたはずなのに。)

渋滞情報

床に落ちた写真を踏みにしたまま、
僕は現在という場所に立っている。
一人ぼっちの部屋の21時49分、
今日も極限速度で崩れる夜は蒼い。



2014.4.15



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